【エッセイ】私の住む家|シャンソン歌手宇佐美一生、モデル、司会もやっています。

宇佐美一生研究所
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私の住む家

きのうまでの雨が去って、くっきりと書き割りのような入道雲が浮んでいます。
まるで絵に描いたように輝いてまぶしいぐらいです。
ベランダには気持ちよい風が吹き溜まり、バリで買った十数年前の竹の風鈴が半分朽ちて垂れ下がり、時折遊ばれて音を立てます。
そこでは小振りの柴のさくら(犬)が、私に見られてることを喜んで、お気に入りのチビタぬいぐるみを振り回しています。
下から延びて絡まった、野ばらの蔓の囲いには、滑るように蟻があしげく行き来しています。
きっとさくらのおしっこの匂いが付いてるからでしょう。
あまりにも輝きすぎる雲を見て、こんな日は死ねたらいいと・・、いや私は、母と同じ萩の花の咲く頃だろうか・・・、潔く桜と一緒に散って、風に乗って
「あの人は死んだらしい・・・」と言われるのも楽しいかな・・と。

こんな日は死ねたらいいと・・詩人にさせてくれます。
そんな何もない一日です。
自室に戻ると
里鳥の泣き叫ぶ声の中、バラの苗木を買うくぐもった人の声が聞こえて来ます。
そして今、ドタバタと階段を蹴上がってくる新聞屋さんです。
音だけが反射するモルタル木造のアパートです。